
相続した実家を売ったときの税金:計算と特例の順番
最終確認 2026年9月18日
実家を売って利益(譲渡所得)が出ると、給与などとは分けて所得税・住民税がかかります。損が出れば税金はかかりませんが、その損を給与などほかの所得と相殺することは原則できません。
計算式
譲渡所得 = 売った金額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 取得費 | 親が買ったときの代金・仲介手数料など。相続では親の取得費と取得時期をそのまま引き継ぎます(No.3270)。建物は経過年数分の減価償却費を差し引きます(No.3261)。 |
| 取得費が分からない | 売った金額の5%を取得費にできます(概算取得費、No.3258)。実際の取得費が5%より少ないときも5%が使えます。 |
| 譲渡費用 | 仲介手数料、売買契約書の印紙税、測量費、売るために建物を取り壊した費用など(No.3255)。相続登記の費用や固定資産税は含みません。 |
税率:5年で変わる
| 区分 | 条件 | 税率(所得税+復興特別所得税+住民税) |
|---|---|---|
| 長期譲渡所得 | 売った年の1月1日時点で所有期間が5年を超える | 20.315% |
| 短期譲渡所得 | 同5年以下 | 39.63% |
所有期間は親が買った日から数えます(取得時期の引き継ぎ)。親が長く住んでいた実家なら、相続してすぐ売っても長期になるのが普通です。
使える特例と、選ぶ順番
- 相続した空き家の3,000万円控除(No.3306):昭和56年5月31日以前に建てられた家で、亡くなった人が1人で住んでいたなど条件があります。2027年12月31日までの売却が対象。詳しくは別のガイド。
- 取得費加算の特例(No.3267):相続税を払った人が、相続税の申告期限の翌日から3年以内(相続開始から3年10か月以内)に売ると、払った相続税の一部を取得費に足せます。
- 自分が住んでいた家の3,000万円控除(No.3302):相続後に自分が住んでいた場合の特例です。
1と2は両方使えません。どちらか有利なほうを選びます。相続税を払っていないなら2は使えないので、1の条件を確かめます。
税額は「いくらで売れるか」で決まります。控除が使えるかの判断も、先に売値の目安が分かると具体的になります。
売買契約書の印紙税
売買契約書には印紙を貼ります。2027年3月31日までは軽減措置があり、契約金額が500万円超1,000万円以下なら5,000円、1,000万円超5,000万円以下なら1万円です(No.7108)。
確定申告
売った年の翌年2月16日から3月15日までに確定申告をします。3,000万円控除で税額がゼロになる場合も、特例を使うには申告が必要です。相続した空き家の控除では、市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」を添付します。
計算の例(考え方だけ)
取得費が分からない古い実家では、売った金額の5%だけが取得費になるため、売った金額の大半が譲渡所得になります。このとき3,000万円控除が使えるかどうかで、税額が大きく変わります。控除が使えないなら、取得費を示す当時の契約書・領収書を探す価値があります。
出典:国税庁タックスアンサーNo.3208、No.3211、No.3255、No.3258、No.3261、No.3267、No.3270、No.3302、No.3306、No.7108、No.2260(確認日 2026年9月18日)。個別の判断は税務署・税理士に確認してください。
売値の目安を知る
どれも申し込みは無料です。結果や提案を見てから、進めるかどうかを決められます。
あわせて読む
被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除。
実家の値段は、固定資産税評価額・相続税路線価・地価公示(地価調査)・実際の取引価格の4つの公的な数字から目安が出せます。
実家を兄弟で相続するときの分け方は、現物分割・換価分割・代償分割・共有の4つです。
実家のある市区町村の数字を見る
空き家率・住宅地の地価・相続登記の申請先を、市区町村ごとにまとめています。
ほかのガイドを見る
- 相続登記の義務化:期限はいつまで?過料・相続人申告登記・自分でできる手続き
- 相続した実家の選択肢:売る・貸す・解体・手放すを比べる
- 空き家を放置するとどうなる:管理不全空家・特定空家と固定資産税
- 空き家の解体費用と補助金:申請の順番を間違えない
- 相続土地国庫帰属制度|費用と引き取れない土地
- 実家の査定の取り方:一括査定・買取・空き家バンクの違いと注意点
- 相続登記を自分でやる:必要書類・費用・戸籍の集め方
- 実家を相続放棄する:3か月の期限と放棄後の管理義務
- 相続した空き家の固定資産税:いくら・誰が・6倍になる条件
- 空き家バンクの使い方:登録から売却までと注意点
- 遠方の実家を空き家のまま管理する:やることと任せ方
- 実家の片付けの進め方:順番・捨て方・業者に頼むとき
- 売れない空き家の手放し方:順番に試す7つの方法
- 解体したあとの建物滅失登記:期限・費用・自分でやる方法
