
相続登記を自分でやる:必要書類・費用・戸籍の集め方
最終確認 2026年9月18日
相続登記は、不動産のある場所を管轄する法務局に申請します。申請は窓口・郵送・オンラインのどれでもよく、司法書士に頼まず自分でやることもできます。法務局には予約制の「登記手続案内」があり、申請書の書き方を無料で聞けます(書類の作成や審査の代行はしません)。
手続きの流れ
- 誰が相続するか決める:遺言書があればそれに従い、なければ相続人全員で遺産分割協議をします。
- 戸籍を集める:亡くなった人の出生から死亡までの戸籍と、相続人全員の現在の戸籍。
- 不動産を特定する:固定資産税の納税通知書(課税明細書)や登記事項証明書で、地番・家屋番号を確認します。私道の持分など、課税明細書に載らない土地がないかも見ます。
- 申請書を作る:法務局の「登記申請書の様式及び記載例」に、相続の形(遺産分割・法定相続・遺言)ごとの様式があります。
- 申請する:登録免許税を収入印紙で納め、窓口か郵送(書留)で出します。完了すると登記識別情報通知(いわゆる権利証)が発行されます。
必要書類
| 書類 | 取れる場所 | 手数料 |
|---|---|---|
| 亡くなった人の出生から死亡までの戸籍(除籍・改製原戸籍を含む) | 本籍地の市区町村(広域交付なら最寄りの市区町村) | 戸籍謄本450円、除籍・改製原戸籍750円(1通) |
| 亡くなった人の住民票の除票(または戸籍の附票) | 最後の住所地の市区町村 | 市区町村ごとに定める額 |
| 相続人全員の現在の戸籍 | 各自の本籍地 | 450円(1通) |
| 遺産分割協議書+相続人全員の印鑑証明書 | 協議書は自分で作成。印鑑証明書は各自の市区町村 | 印鑑証明書は市区町村ごとに定める額 |
| 不動産を取得する人の住民票 | 住所地の市区町村 | 市区町村ごとに定める額 |
| 固定資産評価証明書(または最新年度の課税明細書) | 不動産のある市区町村。課税明細書で足りるかは申請先の法務局に確認 | 証明書は市区町村ごとに定める額 |
| 登記申請書 | 法務局のサイトから様式を取得 | — |
戸籍を集める:広域交付と法定相続情報証明
- 広域交付(2024年3月1日から):本籍地が遠くても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍をまとめて請求できます。請求できるのは本人・配偶者・父母や祖父母(直系尊属)・子や孫(直系卑属)の戸籍で、兄弟姉妹の戸籍は対象外です。窓口に本人が行く必要があり、郵送や代理人による請求はできません。
- 法定相続情報証明制度:集めた戸籍と相続関係の一覧図を法務局に出すと、認証文つきの「法定相続情報一覧図の写し」を無料で発行してもらえます。登記のほか、預金の解約や相続税の申告にも戸籍の束の代わりに使えます。
費用:登録免許税
相続登記の登録免許税は、固定資産税評価額の0.4%です。評価額は1,000円未満を切り捨て、税額は100円未満を切り捨てます(最低1,000円)。
免税になる場合(2027年3月31日まで) 土地の評価額が100万円以下のとき、その土地の登録免許税はかかりません。申請書に「租税特別措置法第84条の2の2第2項により非課税」と書きます。相続で土地を取得した人が登記をしないまま亡くなった場合の、その人への登記も免税です(同条第1項)。
司法書士に頼む場合の報酬は自由化されていて、事務所ごとに違います。頼む前に見積もりを取ります。
自分でやるのに向かない場合
- 相続人に連絡の取れない人、行方不明の人がいる。
- 相続人に未成年者や判断能力に不安のある人がいる(特別代理人・後見人の手続きが要る)。
- 祖父母の代の登記が残っていて、相続が二重・三重になっている(数次相続)。
- 遺産分割協議がまとまっていない。
こうした場合は、司法書士か、遺産分割の争いがあるなら弁護士に相談するのが早道です。
登記のあとに実家を売る・貸す・解体するなら、書類がそろっているうちに無料で提案をもらっておくと、次の手続きに進みやすくなります。
登記が終わったら
登記識別情報通知は再発行されないので、保管場所を決めておきます。売るときも、解体して滅失登記をするときも、この登記が済んでいることが前提になります。
出典:法務局「不動産の所有者が亡くなった(相続の登記)」「登記申請書の様式及び記載例」「法定相続情報証明制度について」「相続登記の登録免許税の免税措置について」、法務省「戸籍証明書等の広域交付について」、国税庁タックスアンサーNo.7191、戸籍法施行規則・戸籍法手数料令(確認日 2026年9月18日)
登記のあと、実家をどうするか
どれも申し込みは無料です。結果や提案を見てから、進めるかどうかを決められます。
あわせて読む
2024年4月に相続登記が義務になりました。
実家を兄弟で相続するときの分け方は、現物分割・換価分割・代償分割・共有の4つです。
建物を解体したら、1か月以内に法務局へ建物滅失登記を申請します。
実家のある市区町村の数字を見る
空き家率・住宅地の地価・相続登記の申請先を、市区町村ごとにまとめています。
ほかのガイドを見る
- 相続した空き家の3,000万円控除|条件と期限(2027年末まで)
- 相続した実家の選択肢:売る・貸す・解体・手放すを比べる
- 空き家を放置するとどうなる:管理不全空家・特定空家と固定資産税
- 空き家の解体費用と補助金:申請の順番を間違えない
- 相続土地国庫帰属制度|費用と引き取れない土地
- 実家の査定の取り方:一括査定・買取・空き家バンクの違いと注意点
- 実家を相続放棄する:3か月の期限と放棄後の管理義務
- 相続した空き家の固定資産税:いくら・誰が・6倍になる条件
- 相続した実家を売ったときの税金:計算と特例の順番
- 空き家バンクの使い方:登録から売却までと注意点
- 遠方の実家を空き家のまま管理する:やることと任せ方
- 実家の片付けの進め方:順番・捨て方・業者に頼むとき
- 売れない空き家の手放し方:順番に試す7つの方法
- 実家の値段を自分で調べる:4つの公的な価格の見方